体外受精・胚移植(IVF-ET)について
1. 体外受精・胚移植について
自然の過程では卵管の中で卵巣から排卵された卵と膣から子宮を通って来た精子が出会い(受精)、胚(受精卵)となります。それから約1週間後に胚は子宮に着床し妊娠が成立します。体外受精・胚移植は不妊症の中でも卵と精子の出会いの過程に障害がある場合(例えば卵管が両方とも閉塞している精子の数が少ない場合など)に適応となります。
体外受精・胚移植治療とは、
◎卵子を十分に成熟させ(卵胞刺激)、
◎排卵直前の卵を卵巣から取り出し
(採卵),
◎体外で受精させ(媒精)、
◎受精した卵(胚)を子宮内に再び戻す(胚移植)という4つの過程を含みます。

2. 体外受精の方法
まず点鼻薬(あるいは注射剤)を開始します。月経開始後3日目から卵胞を刺激する注射を始めます。原則として成熟卵胞が最低2個発育するまで連日の注射が必要となります。成熟卵胞が最低2個発育したら、採卵を行います。その後、ご主人様の精子を専用の洗浄液で洗浄し、良好精子のみを採取した卵子と合わせます(媒精)。
12-15時間後に受精を確認し受精卵専用の培養液に移します。
採卵翌々日に胚移植を行います。
3. 治療による副作用について
体外受精・胚移植では卵胞の刺激を人工的に薬剤を用いて行うため、あるいは膣から卵巣を穿刺するために、以下の様な副作用が生じる危険性があります。
◎ 卵巣過剰刺激症候群(卵巣への刺激が強すぎて卵巣が腫れ,腹水や胸水が貯まると同時に血管内の血液 量が減少する病気です)。
◎ 通常2〜3個の受精卵を移植するために多胎妊娠となるリスクがあります。
◎ 腹腔内出血:採卵の時に血管が損傷されて腹腔内に出血することが稀にあります。
◎ 腹腔内感染:採卵時に腹腔内に感染を起こすことが稀にあります。
ご不明な事や心配な事がありましたらご遠慮なく医師または看護婦にお尋ね下さい。
人工授精(AIH)について
1. 人工授精はどのような方に行うのでしょうか?
人工授精(AIH)とは子宮内に直接精液を注入するという方法です。以下の様な場合に行います。
◎ 性交渉の翌日に子宮の入口(頸管といいます)の粘液(頸管粘液)を取り、その中の運動精子数を調べる検査(フーナーテスト)を行って、運動精子が少ない場合です。
◎ 精液検査で軽度の乏精子症(精子の数が少ない病気です)がある場合です。
◎ 自然の性交渉ができない場合です。
2. 人工授精の具体的な方法について
◎ 当日の朝に用手的に精液を採取し、クリニックに持参して下さい。ご主人様の来院は不要です。
◎ 持参された精液を専用の洗浄液で洗浄し、清潔で元気な精子を集めチューブで膣の方から
子宮内へ注入します。約5分程度で終了します。その後5分間は内診台の上で、さらに30分間はベッドで休んでから帰宅して頂きます。当日の入浴は避けて下さい。
◎ 次回排卵した事を確認するために数日後に受診となりますが、人工授精の当日に次回来院日については医師より説明がありますので確認してお帰り下さい。
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